本記事はアフィリエイト広告を含みます。
「ねえ、これ読んでから、なんか実家の田舎道が怖くなった」
陽向がノートPCを閉じながら言った。夏休み、大学の友人・湊と結衣と3人でカラオケ帰り、ファミレスで駄弁っていたときのことだった。
「何読んでたの」
「八尺様。知ってる?」
「あ、あの2mちょいある女の妖怪の話でしょ。有名だよね」湊がスマホを取り出しながら言った。「元は2chの洒落怖スレだっけ」
「2008年8月26日、『死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?』の196番だって。日付までピンポイントで分かってるんだ」
結衣が興味を示した。
「どんな話なの、詳しく」
「語り手が高校生の頃、祖父母の家に遊びに行くんだけど、そこで『ぽぽぽ』って声を出す、白いワンピース姿の女を見ちゃうの。それが八尺様。祖父母、それを聞いた瞬間に激怒して、語り手を特別な部屋に閉じ込める」
「閉じ込めてどうするの」
「護符を持たせて、部屋の四隅に塩を盛って、朝7時まで祈らせるんだって。しかもラストは、家族総出で車に分乗して逃げるんだけど、その道中も八尺様に追いかけられる」
「え、結局助かるの?」
「助かる。念仏と家族の連携でなんとか逃げ切るんだけど、後日談がまた不穏で。祖父から『絶対にこの土地に来るな』って言われて、10年近く実家に近づけなかったらしい。祖父が亡くなったあと分かったのが、ずっと封印してた地蔵が壊されてたっていう」
「地蔵が結界の役割だったってこと?」
「多分。話としてはそこで終わってるから、真相は分からないままなんだけど」
湊がスマホの画面を見せながら言った。
「これ、『裏世界ピクニック』とか色んな作品にも出てくるくらい有名なんだね。知らなかった」
陽向がふと窓の外に目をやった。ファミレスの駐車場の向こう、街灯の少ない住宅街の路地が、いつもよりずっと暗く見えた。
「ねえ、聞いていい?」結衣が声を落とした。「陽向の実家って、たしか結構田舎だったよね」
「うん、山の近く。それがどうしたの」
「いや、なんとなく。今度帰省するとき、変なもの見ないといいね」
冗談のつもりだったのだろう、結衣は笑いながら言った。だが陽向は、少し黙り込んでから、こう答えた。
「実は、子供の頃、おじいちゃんの家の裏に、誰も近づいちゃいけない祠があったんだよね。今思えば、あれ、何だったんだろう」
その場は「気にしすぎだよ」という湊の一言で笑い話として片付いた。ただ、その年の帰省で、陽向は結局その祠のことを祖母に聞けなかったという。「聞いたら、何か本当のことを言われそうな気がして」と、陽向は後になって話している。
調査ノート:「八尺様」の初出と物語の史実
陽向たちの会話は完全な創作だが、彼女たちが話題にしていた「八尺様」自体は、実際に2008年に2ちゃんねるへ投稿された怪談だ。
- 発生日時: 2008年8月26日
- 掲示板・スレッド: 2ちゃんねる オカルト板「死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?」196番への投稿
- 登場人物: 語り手(高校生時代に体験したという設定)、祖父母(農家)、父親、Aという老婆(護符を渡した人物)、祖父の血縁の男たち
- 怪異の姿: 身長約8尺(約240cm)とされる、白いワンピース姿の女性の姿をした存在。「ぽぽぽ」という特徴的な声を発する
- 物語の展開: 語り手が祖父母の家で八尺様を目撃したことを話すと、祖父母が激怒し、語り手を特別な部屋に閉じ込める。護符を持ち、部屋の四隅に塩を盛って朝7時まで神仏に祈るという対抗手段が取られる。最終的に家族は複数の車両で脱出するが、その道中も八尺様に追われ、念仏と家族の協力でなんとか難を逃れる
- 後日談: 祖父は語り手に「絶対にこの土地に来るな」と警告し、以後10年近く訪問できなかったとされる。祖父の死後、それまで封印されていた地蔵が破壊されていたことが判明する
- メディア展開: 『裏世界ピクニック』や『劇場版ほんとうにあった怖い話』など、複数の作品に題材として取り上げられている
出典・参考文献: Wikipedia「八尺様」ja.wikipedia.org(2026年8月時点でWeb上で内容を確認。2ちゃんねる原スレッド自体は既に閲覧困難なため、内容は同項目の記述の要約に基づく)
田舎道や夜道を歩くときは、足元やちょっとした確認に手元を照らせるライトがあると心強い。以前の記事でモバイルバッテリーを比較したので、帰省や夜の外出前のお守り代わりに、気になる方はチェックしてほしい。
このお話はフィクションです。「八尺様」という話が2008年に2ちゃんねるへ実際に投稿された経緯、原話の登場人物・展開・後日談・メディア展開等は上記の出典に基づく事実ですが、本記事に登場する陽向・湊・結衣という大学生3人とその会話・陽向の実家にまつわるエピソードはすべて筆者による完全な創作であり、実際に起きた出来事ではありません。原話の投稿者本人の特定・詮索は行っておらず、本記事の登場人物も実在するいかなる個人とも無関係です。
アイキャッチ画像: “View along National Route 19 at dusk in Nojiri, Okuwa” by DimiTalen(パブリックドメイン、出典)。※実際は長野県木曽郡大桑村であり、特定の場所を示すものではありません(雰囲気を伝えるためのイメージ画像です)。